Diary

Diary

  • サイトウマコト
    トーべ・ヤンソンのドキュメンタリーを観た後で

    • #デザイン
    • #今日の一枚(絵)

    サイトウさんとは、10数年前に金沢21世紀美術館の展示があり、
    そのお手伝いをさせていただいてからの付き合いになります。

    出会いは、リュックタイマンスの展示を
    初台のギャラリーに見に行った時です。

    友達と2人でわいわい見てたら、一人おじさんが座っていて、

    ギャラリーの人じゃなさそうなんですが、
    時々スタッフの方と話す感じで、関係者のようでした。

    作品をみていたら「なに、君ら絵好きなの?」って声をかけられて。

    始めは変なおじさんだなって思ったんですが、
    絵が凄く詳しくて面白くて、だらだら話していたら、
    気がつくと、そのまま1, 2時間話し込んでしまいました。

    意外と話が盛り上がったことでタバコを吸うことを忘れていたようで、
    吸いたいからと、外に行こうとしたけれど、
    話を続けたい気持ちもあってか、体半分を外に出しながら、
    半身は外でタバコを吸い、もう半分は室内でトークするという、
    キュンなスタイルでタバコを吸ってました。

    そんなタバコをギャラリーの人はなにも言わないですし
    人柄も話の視点も魅力的で引き込まれます。
    ただもんじゃない。ってことはわかりました。

    その中で「仕事何やってるの?」って聞いてくれて、
    「デザインやってます」と答えます。

    「へーそうなんだ、俺もデザインやってるんだよ」
    「サイコウマコトって言うんだけどさ」

    カチンって体が固まりました(なんかめちゃくちゃ知ってる人な気がする、)
    すぐに頭に作品が立ちあがりました。

    「あ、すいません…(デザイナーしてるって俺ごときが言ってすいません的な)。
    作品めちゃんこ存じてます。」

    「ま今度、事務所遊びに来なよ」

    そんな感じで色々なことが始まりました。

    僕には師匠と言える人が2人いますが、一人はサイトウさんです。
    いろんなことを教えていただきました。

    人がパワースポットみたいな感じで
    一緒に居るだけで物事の色々がわかってくる、視点が良くなる。
    そんな感じです。

    一度作品を見てもらおうと持って行ったこともありますが、見て貰えず、
    (具体的には「そういうのは興味ないんだよ」と言いながら、5〜10秒でババっと見て終わり)、
    その後お昼ご飯に連れて行っていただき、ちょんけちょんに説教されました。

    サイトウさんのカレーも含めて2人前を食べながら(説教中で食べたくなくなったみたい)、
    わからされたことがありました。

    それから見える景色が大きく変わりました。

    サイトウマコトさんがアーティストとして
    ペインティングし始めたその頃から、もういつの間にか10数年。

    これまで、スタッフの方々と絵を描いてきていたのですが、
    ここにきてついに、ご自身だけで絵を描き始めました。

    油絵の具のコントロールが素晴らしく、
    絵画への愛、玄人な目線、色々ふんだんに感じられます。
    そこにグラフィックデザイナーとしての画面の構成力。

    今も全く変わらないエネルギーと画面の強さ。
    サイトウさんの尽きない探究心に感動しました。

    気づきをいただいた当時の思い出とか、
    色んなことをブワッと思い出しました。備忘録。

    これからのサイトウさんも、やっぱり凄そう。